お前に抱かれるなんて聞いてない!

男の娘AVを見ることが趣味の会社員・名取は高校の同級生・瀬尾がAV業界で働いていることを知り、アナル開発をしてくれる女の子を紹介してもらうことに。しかし、約束に来たのは瀬尾本人で、いきなり抱かれてしまい──!

あらすじ

「普段はもっと可愛いメス声出してんだろ?」
普通の会社員なのに、男の娘AVを観ながらメスイキすることが日課となってしまった名取。ある日、同窓会で再会した瀬尾がAV業界で働いていることを知り、アナル開発に理解のある女の子の紹介を頼むことに。しかし部屋に入ってきたのは瀬尾本人…!!「お前の大好きなAVのタチ役、俺なんだよね」と散々オカズにしていたAVの男の娘みたいに奥でとろとろにイカされてしまって…!?

ネタバレあり感想まとめ

 男の娘AVを見ながら女みたいに犯される妄想で抜くのが日課になってしまった会社員の名取。タイプの子はどういう人なのかと聞かれるも、アナル開発してくれる子が理想、とは周りに言えずにいた。週末の街コンの誘いを断り、同窓会に参加する名取。学内の女子を食い散らかしている、と噂のあった瀬尾が今はAV男優をやっていることを耳にする。アナル開発に理解のある子を知っているのではと一か八かで声をかけて聞いてみることに。場所を移動し、いざ相談してみると、アテがないこともない、望み通りのプレイもしてくれるかも、と期待以上の返事が返ってくる。

 一週間後、連絡をもらったクラブに来てみると、個室に通される。そこに現れたのはまさかの瀬尾本人だった。女の子が来ると思っていたが、瀬尾の仕事はAV男優の中でもゲイもののタチ男優だったのだ。そういう趣味がなく、現実と妄想の区別はつくからと帰ろうとする名取に、AVの音声を流して「俺が妄想と現実の境目なくしてやろうか?」という瀬尾。名取の大好きなAVの男役はヘルプで出演している瀬尾であり、「散々オカズにしたAVと全く同じことされてみたくねぇ?」と言われる。誘惑に負けた名取は、これから起こることは全て妄想だと思い込むことにして瀬尾に抱かれる。あまりの気持ちよさに先を入れられただけでイってしまう。

 目を覚ますと瀬尾はいなくなっており、連絡も来ないままだった。いっそのこと夢でいてくれたらよかったのだが、瀬尾との出来事が現実の一部となってしまったのだ。みているAV男優が全て瀬尾で再生されるようになってしまった。意識すればするほど瀬尾とのあの日のことを思い出してしまうため、いっそのこと瀬尾が出ている作品を見てしまうことにした名取。男同士で抜けるのか不安になりながらも再生すると、さっきから瀬尾しか映らないせいで余計瀬尾に抱かれているように感じてしまう。男優同士がキスしているのをみて、自分はしなかったと少し寂しい気持ちになる。結局最後まで抜いてしまうが、満足することができず瀬尾に再び連絡を入れることに。なかなか返信が来ず、モヤモヤしていると急に瀬尾から電話がかかってくる。今夜空いてる、という瀬尾に集合場所とご飯の話をすると、瀬尾は笑って本当にしたいことは楽しくお話しすることじゃなくてもっと他にあるだろ、と誘導する。名取が正直に答えると、瀬尾は満足そうにしながら男同士で入れるラブホがある駅を指定し、自分の事務所からある袋を持っていく。

 ラブホにつくと名取が風呂に入るが、その隙に瀬尾が着替えを持ってきた袋のものとすり替えてしまう。風呂から上がった名取は女子制服の着替えを最初は拒否するも、瀬尾が着替えを持っているため裸で帰る度胸があるならいいと言われてしまい結局着ることになる。風呂から出た瀬尾はさっそく名取の胸をいじる。その刺激に耐えられず名取がおねだりすると、自分で乗ってみてと騎乗位での挿入を提案される。あまりの気持ちよさにすぐイきそうになる名取。イく際に瀬尾にキスをされ驚く名取は、自分が完全に瀬尾にはまってしまっていることを感じるのだった。

 自分がゲイなのか混乱する名取は、セックスと恋愛は別物であり、瀬尾が上手いのが悪い!という結論に至るが、瀬尾としたキスの感触を忘れることができずにいた。ちょうど瀬尾から家にいるのかと連絡が入るが、ろくなことにならないからと無視してコンビニに行くため玄関を開ける。そこには瀬尾の姿があり、自分とセックスした分のギャラを取りに来たと言われる。突然のことにびっくりするも、彼氏認定してるのかと煽られてギャラを払うことにする。五万円払えとのことだが、給料日前で厳しいと言うと、「身体での奉仕は身体で返せってこと」と借りは身体で返すよう言われる。女物の下着を穿かされる名取。さらに後ろもいじるよう言われていじっていると、隠していたローターを見つけられてしまい、ローターも使ってオナニーするよう言われるがなかなかイくことができずついには瀬尾に挿れてほしいとお願いする。そうして二人は何度もセックスをするのだった。

 名取はある日財布を忘れて終電を逃し、瀬尾を頼って泣きついた結果また二人はセックスをしていた。しっかり2回戦した後、お腹が鳴ってしまったため財布がないのを忘れ、昼ごはんを食べに行こうとする名取。そんな時瀬尾が気を利かせて頼んだ宅配ピザが届き、「…食ってけば?」と言われる。自分と瀬尾の関係性が少しずつ変わっていっているのを感じる名取。瀬尾が出ている女装もののAVのサンプルを二人で鑑賞しながら、名取はこの関係を瀬尾がどう思っているのか気になってくる。瀬尾にも好きな人はいたのだろうかと気になり、今思うと高校時代瀬尾が男女構わず食っていた話は嘘っぽいと思っていることを話す。しかし、それは本当のことで、瀬尾が仲良かった先輩とその彼女と3Pしたことがきっかけだったようだ。瀬尾はその先輩のことが好きだったため断れずにいたのだ。目の前で女を抱いている人に好きだと言えるはずもなく、ずっと心の中に秘めていた瀬尾。名取が、好きだったのに誤魔化し続けるのは引きずりそう、と言うと突然瀬尾に押し倒され「…じゃあ名取は俺のこと好きになれんの?」と言われる。あまりの出来事に頭が追いつかず、瀬尾の家を飛び出してしまう名取と名取の反応を見て言わないほうがよかったと後悔する瀬尾。

 瀬尾から連絡が全くないため、名取は家や事務所まで足を運ぶ。あんな先輩よりも自分の方が、と思ってしまう名取。瀬尾との関係もやめようと思えばいつでも終わりにできたが、瀬尾と過ごす時間が少しづつ大切になっていき、ちょっとした優越感に舞い上がってしまう自分が恥ずかしくて素直になれなかったのだ。瀬尾の事務所のホームページを開いていると、同じ事務所の代表にスカウトされてしまう。なかなか抜け出せないでいると、スタッフの会話から瀬尾が直帰になると言う情報とスタジオを知ることができたため、急いで名取はそこに向かうことにする。

 走ったことでなんとか瀬尾を見つけることができた名取は声を掛けるが、「なに?また俺とヤリたくなった?」と冷たく返されてしまう。しばらく忙しいからヤリたいなら他の相手を探せと茶化す瀬尾に、自分は瀬尾以外とあんなことするつもりがないこと、側から見たら散々な目に会っているかもしれないけど、自分は瀬尾とのことを後悔していないし瀬尾が好きだから、自分の勘違いでもう会いたくないならそれでいいけどせめて有耶無耶にせずに本音で向き合ってほしいことを伝える。そんな名取の告白を聞いた瀬尾も、「好きだ名取…」「…不安にさせて悪かったな」と名取を抱き締める。

 二人で歩いていると突然「抱きたいんだけど」と言い出す瀬尾。ちょっとは空気読めよ、と名取は思いながらも「はやく帰んぞ…!」と言う。さっそく家に帰った二人は勢いそのままに玄関でセックス。事後、瀬尾は翌日デートしようと明かし、名取にキスをする。瀬尾のことだから変な場所に連れて行かれるのではと心配になる名取だったが至って普通のデートであり、名取が見たがっていた映画のチケットも取ってシリーズの旧作も全て目を通してくれていたのだ。変なことを考えていた自分が恥ずかしいくらい楽しかった、と瀬尾に伝える。きっかけがきっかけだったため、好奇心で自分と付き合っているのではと不安になっていた瀬尾。そのまま解散になりそうだったが、名取は瀬尾を引き留めてもう少し一緒にいたいと思ったと告げる。二人はホテルの浴槽で体を重ねる。結局朝帰りになったなーと名取が言うと、そっちが誘ってきたんだろと返す瀬尾。名取は嫌とは言っていないし、「……俺これでもちゃんと瀬尾のこと好きなんだからな…!」と言って二人は手を繋ぐ。

本編はここで終わりです。書き下ろしも見応えがあって良かったです。このシリーズは今の所3巻まで発売されているので、機会があれば続きも書いていきたいと思います。同窓会という機会がなければ関わりもなかった関係だと思うと、まさに運命に近いような気もします。絵も綺麗で登場人物の体温が伝わってきそうな感じがすごく良かったです。

著者:夏原サイケ
レーベル/出版社:caramelコミックス/モバイルメディアリサーチ
発売日:2020/01/01

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