高校生の時に付き合っていた彼氏にメスイキ体質にされてしまった西木は、警備会社でボディーガードをしていた。しかし、なんとそこに来た依頼人とはそのメスイキ体質にした張本人の三晴だった──!
あらすじ
「先輩のここ、女の子の穴みたいだね?」
高校時代に付き合っていた後輩にメスイキ体質にされたコンプレックスから、「強くたくましく、男らしくなる」ことを目標に、警備会社でボディガードとして働く西木陸也。それでも、メスイキ癖をつけた元彼・三晴を心の隅で忘れられないままでいた彼の前に小説家になった三晴が現れ、「俺のボディーガードになってほしい」と依頼されて…!? 言葉責め年下小説家×隠れメスイキ体質ボディガード、エロと執着の元サヤラブ!
ネタバレあり感想まとめ
『美しすぎるボディーガード』として注目を集めている陸也。そんな彼には学生時代の恋人につけられたメスイキの癖がいまだに残っていた。ある日、依頼人の女性から、良かったらとホテルに誘われてしまう。そんなとき、同じ場所で開かれていたミステリー小説の授賞式の看板を見て昔の恋人を思い出してしまい、焦った陸也は女性を置いて帰ってしまう。女性に恥をかかせてしまったとお詫びの連絡を入れようとしていると、有名な小説家が自分を依頼で指名していることを知る。顔合わせに応接室に入ると、そこにいたのは陸也にメスイキ癖をつけたかつての恋人・三晴だった。あまりのことにびっくりして逃げようとするも、「元彼の依頼は受けられないとでも上司に言う?」と、半ば脅されるような形で三晴のボディーガードをすることになってしまう。三晴はストーカー被害に遭っており、出版社経由で送られてきていたファンレターがいつの間にか自宅の郵便受けに入れられるようになっていた。被害が深刻でないのと、作品に変なイメージをつけたくないとの理由で警察には相談していないようだった。三晴はSNSで話題になっていた陸也のことを見て、純粋にプロとして依頼に来たようだった。
やる、と言った陸也だったが、それは住み込みでの警備だった。24時間1ヶ月で、様子を見て延長するか決めるらしい。セキュリティも万全ではあったが、念の為陸也が2時間おきにマンション周囲の巡回をする、出かける時は必ず同行、という約束をする。昔のことを思い出しながら差し入れられたコーヒーを飲んでいると、三晴がよく自分のために作ってくれたコーヒーと変わらない味がして懐かしいと感じてしまう。三晴に呼びかけられ目を覚ますと、辺りが暗くなっており自分が寝てしまったことに気付く。慌てて起き上がるとすると、全身に力が入らず倒れそうになってしまう。陸也との力の差を感じた三晴はさっき差し入れたコーヒーに薬を仕込んでいたのだ。うまく抵抗のできない陸也の服を脱がせ、胸を触る三晴。後ろもいじられ、挿入される陸也。何を考えているんだと混乱するが、気持ちよさに抗うことができず中に出された際にメスイキしてしまう。もっと警戒されると思ってたのに、コーヒーにあっさり手をつけたことを言われた陸也は、自分の認識の甘さを認めながらも三晴をビンタして、「ボディーガードに薬を盛るなんて俺の意識がない間にお前の身に何かあったらどうする」「二度とするな」とプロとしての視点で叱る。巡回をしながら、三晴を叩いたのは今回で2回目で、1回目に叩いた時のことを思い出す陸也。
「お前がいなくたって俺は平気だ、見てろよ証明してやるから!」と叩いてしまったのだ。そんな陸也に「そこまで言うなら見ててあげる──」と言う三晴。
色々間違いは起こってしまったものの、これからは依頼主とボディガードの関係に戻り、二度とセックスしないと決意を固めるのだった。しかし三晴は「溜まるものは溜まるしなぁ、先輩が相手してくれないなら女の子でも呼ぼうかな」と口に出す。ストーカー被害に悩まされている今無闇に他人を部屋に入れるべきでないと判断した陸也は「そんな事するくらいなら俺が」と言ってしまう。その言葉を待っていたような表情をする三晴は、陸也にフェラをさせる。自分まで勃ってしまったことに気付かれた陸也はお返しにと触られそうになるが必死に拒否する。三晴の本を読みながら、ストーカーは今のところ現れておらず、警備を続けても怪しい人影もなければ手紙が届く気配もない。ストーカーがいるにも関わらず三晴の能天気な態度も相まって、ストーカーは実在しているのか、と疑ってしまう。三晴から、週末に出版社の創立記念パーティーがあり、そこに出席するため同行してほしいと言われる。パーティー当日、会場に入ると人気作家である三晴はさまざまな人に声をかけられる。挨拶回りが終わってホッとしている三晴に、三春の作品が多くの人に受け入れられていること、自分もその一人であり、学生時代に好きだった作品の面白さと同じで「俺、やっぱり三晴の作品が好きだ」という陸也。ホテルの部屋に帰ると、陸屋を思いっきり抱きしめてベッドに押し倒す三晴。「好きって言ってくれたの嘘じゃないよね…?」と聞いてくる三晴に作品のことだと弁解するが、お酒に酔っている三晴はそういう言葉でも欲情してしまうから陸也に責任をとってほしい、と告げてセックスをしてしまう。最中、二人が別れたときのことを覚えているか聞かれる陸也。なんで今そんなことを聞くのかと言うと、「あんな台詞本心じゃなかった。俺以外の奴が陸也に触れるなんて想像するだけでおかしくなりそうだったよ」と10年越しに言われてしまう。あのとき陸也が三晴に別れを告げたのは嫌いになったからではなかった。朝になり、気まずいなと思いながら家までの道を二人で歩いていると「話があるんだけど聞いてくれる?」と言われる陸也。自分を呼び寄せた理由、抱いた理由、本当の気持ちを聞かせてくれるのかなとポストを覗きに行くと、そこには二つに切り裂かれた自分の写真が入っていた。
ストーカーが本当にいたことを確認し、狙いが三晴でなく自分に写ったことで安心していると、「陸也先輩に何かあったら、俺…!」危険な目に合わせたくないと三晴に言われる。巡回をするため外に出ようとすると、止められてしまう。「仕事より作品より先輩のことが心配だよ」と言う三晴だったが、その言葉を聞いた陸也は自分が別れた原因を思い出すのだった。
自分が所属していたミステリー研究会に小説を書ける新入生・三晴が入ってくる。美春の作品に魅了された陸也は何か手伝いたいと、感想や考えが詰まったときにアイデアを出す手伝いをさせてもらえることに。最初に惚れたのは作品の方だったが、徐々にお互いに惹かれ合うようになり、そこから二人の関係は爛れていった。初めてセックスをしてから、たがが外れたように何度も抱き合い、後ろでイく感覚もすぐに覚えるようになった。中毒のように溺れ、当初の原稿の執筆を手伝うのは後回しになっていた。ある日、三春の発言から自分は三晴の活動を応援したかったのにその気持ちを忘れて足を引っ張っているのではないかと気付いてしまう。距離をおいてみたものの、体が抱かれたがっており自分はこんなにも三晴に依存していたのかと思うのだった。いつも通り部室でぬた理で過ごしていると、そんな陸也の様子を不審に思った三晴が頬を撫でながら「何かあった?先輩」と尋ねてくる。顔が真っ赤になってしまった陸也は息抜きに散歩してくる、と部室を後にする。陸也が落とした荷物を片付けていると、三晴は模試の成績表を見つけ、第一志望校が聞かされているところと違う遠くの大学を目指していることを知ってしまう。陸也が帰ってきた後、自分が何かしたのかと問い詰める三晴だったが自分が三晴に依存しすぎて迷惑をかけていたから離れた方がいいと思った、と言う返答が返ってくる。三晴は「そんなの間違ってるよ、陸也」と怒りの感情そのままに陸也を抱く。「もうここには来ない」と部室を出ようとする陸也に、「俺から離れるなんて間違ってる」「離れてその後どうするつもり?こんなやらしい身体してるくせに」「…ああ、誰か他の人にでも抱いてもらうの?」と言ってしまう。そんな三晴を叩いて出ていく陸也。その後、一度も会話しないまま卒業し、なかなか消えない三晴への思いを大学での格闘術のトレーニングで打ち消していた。三春への依存もセックスへの執着も断ち切って、好きな人の足を引っ張っていたあの頃の自分には戻らないようにしていたのだった。部屋で寝ている三晴を見て、ストーカーの問題をなんとかするべく、陸也は夜の巡回へと向かう。自分が三晴の近くにいるのはやはり良くない、と思っていると後ろから声をかけられる。振り返ると、そこには刃物を持った男が立っており、そいつが例のストーカーのようだった。
なんとか対処しようとしていると、陸也がいないことに気づいた三晴が現場に来てしまう。三晴に会えたことで興奮するストーカーに向けて、君のことは覚えていないし手紙にもうんざりしていたが、自分の恋人を取り戻す目的に利用していたことを明かす。恋人は自分のことだったんじゃないか、と刃物で三晴に襲い掛かろうとするストーカーを背負い投げしてなんとか動きを封じる陸也。すると、三晴が呼んだという警察が到着する。警察沙汰にしてごめんと謝る陸也に対して、元々こうするつもりだったことを明かす三晴。ストーカーを利用すると言った発言から何か隠していることを察した陸也に、三晴は全て説明することにする。本来は、ストーカーのことは警察に相談するつもりだったが、陸也が女性とホテルにいるのを目撃していた三晴は陸屋に警備を依頼することにしたのだ。SNSで見つけたのではなく、大学時代のことや入った会社も知っていた、「見ててあげる」その言葉通り三晴はずっと陸也のことを見ていたのだ。大学にも何度も足を運んだりネットの情報も隈なく確認していた。いつの間にか陸也はSNSで有名になるし、デート現場に遭遇してしまったため、多少強引にでも連れ戻して解らせる必要がある、と思ったというのだ。『恋追う探偵』のヒロインのモデルは陸也であり、それが滲み出ていたからなのかストーカー男が勘違いしたかもしれない、ということらしい。まるでストーカーまがいの三晴の行動に「怖い」と思うものの、言葉とは裏腹にいやらしい顔になってしまう陸也。自分が再び三晴の足を引っ張ることを恐れ突き放そうとするも、三晴が小説を書くことができたのは陸也のおかげであり自分のペンネームである「八垣クリス」は「陸也が好き」のアナグラムになっていると言われ思わず顔が赤くなってしまう。依存していたのは三晴の方であり、「離ればなれは嫌だよ、そばにいて…!」と陸也に抱きつく三晴。そんな三晴の姿を見てキュンとした陸也は「俺も…好きだ、三晴…っ」と告白し、二人は抱きしめ合う。久しぶりにキスをした二人は10年分の埋め合わせをするようにセックスをする。お互いの好き、という気持ちを確かめ合う二人。陸也は「どうしてもっと早く気付けなかったんだろう、俺はずっと戻りたかったんだ。この腕の中に──」と思う。ストーカーがいなくなったことで契約は終了となる。陸也は、住所を知られてしまっているため引っ越しを提案していた。三晴はそのことを思い出し、二人で恋人として新しい部屋を探そうと提案するのだった。自分が負担になることをまだ恐れていた陸也に、負担になることなんてあり得ない、自分の一番の幸せは陸也がそばにいてくれることだと告げる三晴。三晴を好きでいる感情は主にになったり弱くなったりするのではなく、支えになるんだと思い、「わかった、もう二度とそばを離れないよ───」と約束するのだった。
少し長くなってしまいましたが、お話としてはこのような感じです。少しヤンデレ属性で推しの強い三晴とそんな三晴を受け止めることのできる流されやすい陸也は見ていて相性抜群なのではないかと思います。ヤンデレすぎて周りに危害を及ぼしたりということはありませんがもしかしたら怖いな、と思ってしまう人も一定数いるかな、と感じました。感じやすくてメスイキのできる陸也が決意をしたにもかかわらず流されて何度か体を重ねてしまうのは、快楽に弱くてかわいいなぁと思いました。
著者:理原
レーベル/出版社:Jパブリッシング/arca comics
発売日:2021/03/25