生徒会長は下僕になりたい

妄想癖強めの生徒会長・奏は、趣味である自分がモデルのAV風ポートレートの秘蔵画像を落としてしまい、同じ学校の強面後輩・音羽に拾われてしまう。本物のハメ撮りと勘違いした音羽は暴走し、奏を襲ってしまい──!

あらすじ

「こんなところ見られたら変態だって思われちゃう」生徒会室に響くカメラのシャッター音。目隠しをされ、手足を縛った状態で机の脚につながれる…そんな状況に興奮し甘い吐息を漏らしているのは、妄想癖強めのナルシスト生徒会長・三宝院奏。自身をモデルにしたAV風ポートレート制作の趣味を持つ彼は、今日もエロティシズムな己の美しさに酔いしれていた。けれど、そんな危うい秘蔵画像を収めたスマホをうっかり落として同じ学校の強面後輩・音羽に拾われてしまい!?

ネタバレあり感想まとめ

 学校の生徒会長である奏は人に言えない趣味であるAVパケ風ポートレートを自分で製作するのにハマっていた。電車の車内でその写真の出来を見ていると痴漢に遭ってしまい、そのままイってしまった。そのとき、突然声をかけられ、自分が痴漢だと勘違いされたのではとびっくりしてしまった奏は携帯を落として走り去ってしまう。翌日携帯を失くした奏が落ち込んでいると、昨日携帯を拾った音羽という同じ学校の後輩が生徒会室に現れる。二人きりにしてもらい、痴漢のことを弁解しようとすると、趣味を本当のハメ撮りだと勘違いされてしまい、「あんなオッサンに先輩が好き勝手されるくらいなら…このままじゃ俺引き下がれないですよ」と突然告白される結果に。誤解を解こうとしても「本当は恋人がいるのに面倒臭いからはぐらかしてるとかじゃないですよね」と返す音羽。

 それを聞いた奏は、音羽が寝取られ系AVに出ていた出張帰りの旦那で、自分が折檻を受ける人妻である妄想をしてしまい勃ってしまう。それに気づいた音羽は「先輩って本当に誰でもいいんすね」と襲われてしまい、抵抗するも虚しくついには処女まで奪われてしまう。「好きだったのに」という音羽の勢いに、死ぬほどの痛さよりも好奇心が勝ってしまいもっと虐げられたい、と思ってしまう奏。自分の合意がなければ音羽のレイプとなってしまう優位な立場を利用して、条件付きで音羽の下僕になる(自分の趣味に付き合ってもらう)、という提案をする。

 音羽は生徒会長の奏に挨拶をしてくれるだけで満足していたのに、前回の出来事がきっかけで奏の趣味に巻き込まれることに。奏の撮影をしている高嶺を彼氏だと勘違いした音羽は強姦してしまったことを謝罪し、状況が飲み込めない高嶺に奏は一から説明する。償いだとしてもそれでいいのかと聞くと、自分は犬だからと答え、奏に恋人がいないと聞くと表情が明るくなる音羽を見た高嶺は巻き込まれたくない、と考えることを放棄したのだった。そうして撮影が始まったのだが、奏の理想が高すぎるあまり音羽が衰弱する。練習もほどほどに、いざ奏を相手に写真を撮ろうとすると音羽は欲情してしまいそのまま奏をきつく締め上げてしまう。そんな自分の行動に驚いた音羽は部屋を飛び出してしまうが、その時に撮った写真を見た奏は大満足の様子。高嶺に付き合ってあげないのか?と問われるも、自分以上に興味の持てる相手が現れなかった奏にはその考えはなかったようだ。とりあえずでフォローをするために音羽に電話をかけるが即切られ、もう下僕にも近づくこともできないと返されてしまう。

 それから日が経ち、高嶺が撮影しようと誘っても断る奏。音羽に自分の写真を送っても、目があっても無視されているため、自分のことが好きじゃなかったのかと気になってしまう。駆け引きだとするならば、お互い両想いなんだからそんなことはする必要ないと感じる奏だが、そこで音羽に好きだとちゃんと伝えていないことに気付く。電車に乗りながらそんなことを考えていると前と同じ人間に痴漢されてしまい、怒ろうとしたその矢先で音羽が助けてくれる。駅に停車氏、必死に逃げようとする痴漢をひと蹴りし警察に突き出した奏は、必死に否定し続ける痴漢を見て、以前制服に精液をかけられたことと今回痴漢を爪で引っ掻いた時に取れた皮膚を証拠として出すことを言い事態を収束させることに成功する。駅のホームで話す二人は、音羽になんで無視をしたのか聞くことに。二年前自分の不注意で妹がいなくなってしまった時に妹を助けてくれたのが奏であり、それからずっと奏のことが好きだった音羽。下僕やご主人様として好きな人のために頑張ろうとしたけれど、玩具のように扱われることに耐えきれず、逃げてしまったのだ。今更どんな態度を取ればいいのか分からなくて無視をしてしまっていた。そんな音羽に「こんなに人に惹かれたのは初めてなんだ、君は僕を求めるにふさわしい。付き合おう」と告げる奏。そうして付き合うも、前と同じように趣味に巻き込まれる音羽。普通のカップルがするようなことをできればしたい、と言われた奏はデートをすることに。

 二回目はせめていい思い出になるように、と願う奏は音羽のために念入りに後ろの準備をするのだった。いざ当日、音羽の好きなところを巡ることになり博物館へ。目の前のものに集中してて周りを見ていないから、とキスをされる奏。照れる音羽につられて恥ずかしさを感じながらも二人はジャズ喫茶へ。仕返しと言わんばかりにさっき言われたことをそっくりそのまま返して足を絡める奏。ジャズ喫茶を後にした音羽はありがとうございましたと解散を切り出すが、ここからが本番なんだから自分の行きたいところにも付き合ってもらう、と音羽をホテルへ連行する奏。帰るつもりだった音羽も、初めてが無理矢理だったのをいい思い出で上書きしてあげたい、という奏の思いを受け止め二人で泊まることに。いざ始めようとすると、奏の後ろにプラグが刺さっていることに気付く。音羽がすぐ入れられるようにと思って入れていたものだが、今度から自分がやるから一人で進めないで、と音羽に投げ捨てられてしまう。丁寧にほぐす音羽だが、奏がその焦らしに耐えられず「こんなの拷問だ」と泣いてしまう。それを見た音羽は奏とついに繋がることに。ゴムを使い切るまでやった二人。わざと音羽を怒らせようとしていることを聞くと、「…だって好きなんだ、音羽の怒った顔」と答える奏。「だって僕は君の下僕になりたい」と思うのであった。

 ちょっと変わった趣味を持つ才色兼備の生徒会長・奏が、携帯の画面をそのままで落としてしまったことから始まるこのお話ですが、話も聞かずに「会長が好き」の想いから襲ってしまう単純思考すぎる音羽も、襲われたのにむしろそれを利用して趣味に付き合ってもらう奏もいい具合にお互い自分の気持ちに正直すぎるところが良かったです。とても絵がきれいで、たまに出てくるネタ顔も面白かったと思います。

著者:さばみそ
レーベル/出版社:G-lish Comics /Jパブリッシング
発売日:2019/03/18

Recommended Articles

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です