カツアゲにあった蛯原は必死で逃げるも財布を失くしてしまう。そのことを友人に話すとその正体は漫研メンバーの鯛代だった。本人に追いかけられ、逃げていると鯛代はカツアゲでなく落とした財布と届けようとしていたのだ。それから、変になつかれてしまった蛯原は、ある日鯛代から告白を受けてしまい──!?
あらすじ
コミュ障なのに不意打ちイケメンぷりがズルすぎる鯛代くんと、ツンデレで可愛い先輩・蛯原くん。愉快な漫研メンバーを交えて、マンガイベントや合宿などでラブフラグ立ちまくり!?今世紀最大級の尊さと、もだもだきゅんきゅんに、萌えすぎて息切れする人続出★ 青春ラブコメのカリスマ・ヤマダが贈る初BLコミックス!
ネタバレあり感想まとめ
カツアゲと勘違いしていたのは、落としたや財布を届けようとしてくれていた友人の漫研メンバーの後輩・鯛代だった。共通の好きなアニメ「オジンダム」を通して仲良くなった二人だが、挙動不審の鯛代に驚かされてばかりの蛯原。ある日、構内で鯛代を見かけたため、話しかけるとアイドルゲームをプレイしていた。鯛代がそのゲームのカスミちゃんを推しに選んだのは蛯原に似ているからで、「ずっと前から先輩のこと好きだったんですけど…」と突然告白されてしまう。
漫研の人間ではない蛯原は、今度の即売会で出す原稿の手伝いを漫研のメンバーと一緒に作業していた。彼らが描いていたのはR-18のカスミちゃんの漫画であったため、恥ずかしくなった蛯原は飛び出してしまう。そこを鯛代が追いかけて蛯原を遊びに誘い、急に告白したことと蛯原と仲良くなりたいことを「……嫌わないで」とシュンとした表情で告げる。メソメソしている鯛代を見てなんだか罪悪感を感じた蛯原は遊びに行く約束をする。遊びの当日、鯛代がオジンダムのBDを予約しているため一緒に見ないかと誘われる。告白された相手だしここで行ったら何かが終わる予感がしてしまうが、オジンダムの特典みたさに行くことを決意する蛯原。
鯛代はお金持ちらしく親がくれたタワマンに一人で住んでいた。しかし生活能力はないらしく、家具もなければ食材もなかった。そんな鯛代のために料理をしていると、同人誌の即売会のバイトをしないかと誘われる。高時給のため、早速伴内(漫研の友人)に連絡を入れる蛯原。食事を終え、目的のBDを見るが、今ここで押し倒されたらと妄想が広がってしまう。怖くなり声をかけるが返事がなくビクビクするが、鯛代は寝てしまっただけだった。帰りの玄関で顔が近づいてしまった蛯原は焦った鯛代にビンタされてしまうが、料理の練習をするからまた来てくれという鯛代。いつの間にかまたここに来る約束をしてしまうのだった。
即売会の売り子に決定した蛯原。しかし、カスミちゃんのコスプレをして売ることになってしまう。鯛代にも似合っていると言われ、”自分”ではなく”カスミちゃん”だから好きなんだろうとモヤモヤしてしまい売り子を拒否する。その後も鯛代を無視し続けたため、様子を見かねた伴内により好条件で売り子を依頼される。鯛代は目隠しをされながら蛯原と部室に残される。どうしてあの時殴ったのか聞いてしまった蛯原は「キスしたかった」と誤解を生んでしまい、今ここでキスをすることになってしまう。しかし、「また今度で…」とあと少しのところでモジモジする鯛代に苛立った蛯原は、自分から「今度なんてあるかバァーカ!!」とキスをして部屋を後にする。
即売会当日、伴内はもう一人瀬賀という売り子を用意していた。女装オジサンしかいない会場にイライラし、瀬賀が帰ろうとするとそこにカスミちゃんの格好をした蛯原が現れる。その姿に一目惚れした瀬賀は、女と勘違いしたまま口説き始める。即売会は無事終了し、鯛代と蛯原で片付けを始めていると蛯原に触るオタクが出てきてしまい咄嗟に牽制する鯛代。蛯原がお礼を言うと、鯛代はキスした時自分だけ見えていなかったのは不公平、蛯原が自分からキスする必要なんてないからそう言うのは期待してしまうと言うのだった。
瀬賀は即売会後に蛯原が男だと言うことを知って蛯原に理不尽に怒鳴り、廊下を歩いていってしまう。そこに即売会のときのファンレターを渡しにきた鯛代が現れる。瀬賀が鯛代と蛯原の関係性を聞いていると、そこに体調不良の蛯原が現れる。鯛代が薬を取りに行ったため、廊下に取り残される瀬賀と蛯原。瀬賀に寄りかかった蛯原は上目遣いになったため、思わずキスをしてしまう瀬賀。そこに鯛代がタイミング悪く鉢合わせることに…。
鯛代に必死に弁解する蛯原。漫研に戻ろうとするところをついてくる瀬賀に怒るが、「介抱は…ありがと」と言う。翌日の漫研では夏合宿の話をしていた。今回は鯛代の別荘に泊まることになる。鯛代は瀬賀のキスのことを思い出していると、その瀬賀本人に話しかけられてしまう。しつこく尋問され、蛯原のことが好きだと白状すると、自分はあわよくば触りたいの好きだと瀬賀に対抗されてしまう。
夏合宿に向かう新幹線には、なぜか瀬賀もいた。アシスタントの参考にしてと渡された同人誌を一度は拒否するも、カスミちゃんのえっちな絵を見て受け取る瀬賀。別荘につき作業を始める一行。鯛代は差し入れを持ってきて、バーベキューの準備をすると言う。蛯原が手伝うと言うので瀬賀も行こうとするが、作業が終わってないからと引き止められる。材料をとりに階段を歩いていると、蛯原が足を滑らせてしまい、それを助けようと鯛代は蛯原を抱きしめてしまう。
そのとき、瀬賀の言葉を思い出してしまった鯛代は蛯原を突き飛ばし転倒させてしまう。とにかく謝るも、鯛代に何度も拒絶されてきた蛯原は「そういうの正直割と傷つく」と言葉をこぼす。その後、バーベキューが始まるが、その間も瀬賀の言葉と自分の気持ちの間でモヤモヤが止まらない鯛代。メンバーが飲み物を持ってきてくれたのだが、鯛代は集中しようと間違えてお酒を一気飲みして倒れてしまう。看病中に自己責任で同情の余地もないという瀬賀に「お前最悪だな」という蛯原。看病中、鯛代からの好意に優越感を感じてしまっているのでは、と蛯原なりに鯛代との付き合い方を考えていた。汗だらけのシャツを着替えさせようとすると酔った鯛代に後ろから抱きしめられ、蛯原の優しいところが好きだけどなんでも事故だったら許す考えはどうなのか、今蛯原を襲っていることも事故にしたら許してくれるのかと言われてしまう。伴内が様子を見にきてくれたため、なんとかなったけれど正直NOと断言はできない蛯原だった。
これで1巻は完結となります。現在は3巻まで発売されているのでそちらの方も書いていけたらと思います。二人の関係性の進行は1巻で完結するようなBLと比べると遅いですが、確実に動き出していることは感じられるし、個性的な登場人物や表情がユニークでわかりやすくてとても良かったです。挙動不審だけど変に押しが強い鯛代と少し流されやすくお人好しな蛯原の関係性の進歩にこれからも期待したいと思います。
著者:ヤマダ
レーベル/出版社:ビボピーコミックス/リブレ
発売日:2018/02/19