いつもマスクをしている陰キャ男子・佐山はある日クラスのリア充・才川にマスクを剥がされキレてしまう。その日からなぜか才川の気に入られてしまい──。
あらすじ
「口は第二の性器なんだって」
いつもマスクで顔を隠している陰キャ男子・佐山は、クラスのリア充・才川に無理やりマスクを剥がされキレてしまう。その日から、なぜか才川に気に入られてしまい勉強を教わる見返りに、「マスクの下を好きにさせる」ことに!?
素顔を、唇を、口の中を触られるのは嫌なのにどうしてか拒めなくて…
本音不詳のイジメたがり×遊ばれがちなマスク男子のじれったくて不器用で、ちょっとやらしい性癖直撃BL。
ネタバレあり感想まとめ
高校生の佐山はいつも顔をマスクで隠している。ある日、人が上から降ってきたことで保健室に運ばれる佐山。目を覚ますとその落ちてきた張本人に声をかけられ、自分の壁であるマスクを外されそうになってしまう。焦った佐山はその男・才川を突き飛ばし罵詈雑言を浴びせかける。すると、自分がよく喋り口も悪いことがバレてしまう。
あれから1週間が経つが、元々話してもいなかったのに何故かしつこく絡んでくる才川。自分が暴言を吐いたことをバラされかけ、連れ出し歩いていると友人に話しかけられる才川を見てお互い最悪の印象なのになんで絡んでくるんだと思う。才色兼備の才川を羨みながらその様子を見ていると、話している才川の目が笑っていないことに気付いてしまう。帰ってきた本人にそれを言うと、佐山はよく人のこと見てるけど自分がどう見られてるかを分かってない、と言われ「ねぇ知ってる?口は第二の性器とも呼ばれてるって、そうやって隠されたら気になっちゃうってわかんない?」とマスク越しに唇に触れられてまた驚きで突き飛ばしてしまう。
小学生の頃好きな子がいた佐山。当時のクラスメイトの会話で佐山の口の横にあるホクロがエロいから見せろと言う話になってしまう。嫌がる佐山に当時好きだった子が「やらしくないと思うよ」と声をかけてくれたのだが顔が引き攣っているのに気付いてしまいカッとなった佐山は「うるせえブス!」と暴言を吐いてその子を泣かせてしまったのだ。泣かせてしまったことと、これからもこのホクロのせいでそういう目で見られることに限界がきてしまった佐山はその原因となった口元を隠すためにマスクをし始めたのだった。目が笑っていないことが地雷だったのか、才川にマスク越しに唇を触られる嫌がらせは頻繁に行われていた。才川の気持ち悪い愛想笑いも自分にはしなくなり、遠慮もなくなってきたことでどっちが本性なのか戸惑う佐山。家に帰ると、赤点が多いことからゲームを禁止されてしまった佐山は不本意ながら才川に勉強を教わることに。
才川は以前興味本位でマスクの下の素顔を見ていた。元々人の秘密を暴く趣味はないのにいつも喋らない佐山の感情的な表情は他の誰も知らないんだと思うと、もっと暴いてやりたいと思うようになっていた。佐山の家でテスト勉強をした二人。才川は見返りにとマスクの下に手を伸ばし口元に手を突っ込む。咳き込んでしまう佐山を見て「楽しい」と思う才川。
才川が帰った後もその指の感触が残っておりどうしても気になってしまう。翌日の学校で佐山に渡すものを頼まれる才川。佐山を探していると、花壇をいじる佐山を見つける。どうやらひっくり返っていた花を直していたようだ。手を洗っていた佐山に話しかけようとするがクラスメイトに呼ばれた佐山はそっちへ行ってしまう。そんな佐山に複雑な感情を抱く。才川に口の中をいじられてからどこでも「見返り」を求めてくるように。いつも通り勉強をしているとその話になるが、「気持ち悪い」と佐山が言うと、「じゃあさ、どれだけ気持ち悪いか試してみる?」と口の中に手を伸ばされ下をいじられる佐山。その感触から快感を感じてしまい勃ってしまう。
才川にそのことがバレてしまい絶対馬鹿にされる、と思って目を向けると何故か真剣な顔をしている才川。するとマスクを外され舌を入れたキスをされる。その気持ちよさの中で自分は才川のことが好きなんだと気付いてしまう佐山。学校で顔を合わせるのは気まずいと思っていると今までと同じように接してくる才川に拍子抜けしてしまう。昨日のキスは嫌がらせにしてはやりすぎだと思っているが、嫌がらないのも理由が聞けないのも自分が好きだから、と認められずにいた。それからも見返りとしてキスをする関係は続くが何も言ってくれない才川が何を考えているのかはわからないが、その視線が熱を持っていると思うようになったのは自分の都合のいい錯覚ではないかと感じている。
佐山が学校で歩いていると、かつてトラウマになってしまった原因の小林さんとぶつかってしまう。あの時、暴言を吐いてしまったことを謝ろうとするもうまく言葉が出てこず謝れない佐山。そこに才川が話しかけてくるのだが、自分の口は悪い口でありそんな自分のことを才川は好きになってくれるわけがない、キスもからかっているだけかもしれないと考えてしまいその事実が分かるのが嫌で、それからは才川を避けるように。校舎を歩いていると才川と小林さんが話しているところを見てしまい心臓が痛む佐山。そこに才川が現れ、怒った顔で「なんで最近俺のこと避けてるの?」と聞いてくる。「今更やめようなんて思うなよ?」と強引にキスをされ、才川の気持ちはわからないのにキスされて嬉しいと思ってしまう自分に嫌気がさし「もうやめろよ!」「からかうだけなら必要ないだろ!」と突き放すと「からかってないよ」と真剣な顔で言われる。またキスされそうになり拒んでしまうが、自分が改めて才川を好きだと気付いてしまい顔が赤くなる佐山。
恥ずかしさから逃げ出すが、足を踏み外して転んでしまい才川に追いつかれてしまう。「話してくれるんだろ、なんで避けてんのか」と聞く才川に自分のトラウマのことを話す。自分が余計なことを言ってしまうことを恐れていることを言うと、才川はデコピンをしてきて「もっと好きに言えよ、思ったこと俺には聞かせてよ「そう言う強気な顔も憎まれ口も、俺は嫌いじゃないよ」と優しく声をかけてくれる才川に好きだと言う気持ちが溢れて泣いてしまう。そんな佐山を見た才川は「俺が泣かせたみたいじゃん」とキスをして慰めてくれる。今日の「見返り」で手を繋いで帰ることを指定された佐山だったが、自分が嫌だと感じないから見返りにならないと素直に打ち明ける。その言葉を聞いて、佐山を引き寄せ「好きだわ…佐山のこと」という才川。思いが通じ合った二人は「見返り」ではなく恋人として手を繋いで帰る。
それから、学校で周りとコミュニケーションを積極的にとるようになった佐山。周りから話しかけられることも増えたため、才川は独占欲が強くなり嘘をついて佐山に保健室に連れて行ってもらう。保健室に来た二人だったが、才川に警戒心がないと注意される佐山。自分が一番警戒しているのは才川だというと、じゃあ自分からは何もしないと言って近くにはくるも本当に何もしてこないため構え疲れてしまう。家で勉強する時も気になってしまいチラチラ見ていると気付かれてしまい、キスをするがマスクを取られずにそのままで終わりにされてしまった佐山はもっとして欲しそうな顔をする。「佐山から、言って」とおねだりされ、さわってもいいと言うとマスクを外されキスをされる。服を脱がされそうになってようやく才川が自分とそう言うことをしたいことに気付く。「もっと…触って」と佐山が言ったところで親が部屋にきたため中止になってしまったが、「次その顔したらやめないからな」と言われる。
放課後の学校でマスクをつけたクマのストラップが落ちているのを見つける二人。小林さんのだということで佐山は意を決して自分で返すことに。才川は自分の「好き」という言葉を待っているのだが、小林さんとの問題が解決した上で伝えるつもりでいた佐山。窓の外から下校途中の小林さんを見つけると、落ちてたと声をかけてストラップを返し「あの時はごめん!!ありがとう!」と大声で謝罪をすることもできた。小林さんも「うん!またね佐山くん!」と微笑んでくれて、長年のトラウマが解消した佐山は緊張から解放される。そして才川に抱きついて「…すき」とやっと自分の気持ちを伝えることができる。才川は「やばいうれしい」と喜びお互いに好きと言いながら抱きしめ合いキスをする。
クラスメイトと祭りに来ていた二人は、途中で抜けて佐山の家へ。家の人は?と聞く才川に、「き、今日は…いない」と恥ずかしがりながら佐山が答えたことで火がつき、キスをして佐山をベッドに押し倒す。ゴムを持っていた才川にその理由を聞くと「お前といつかしたいと思ってたからだろ」と答えられ顔が赤くなる佐山。佐山の後ろをほぐしていた才川だが、佐山が自分の手で気持ち良くなっていることに限界を感じたため挿入することに。佐山が動きやすい体勢に、と騎乗位にするが気持ちよくて動くことのできない佐山。一旦抜くことを提案する才川に、「っ抜かない…!」「才川と離れたくない」と返すと才川に抱きしめられ、キスをして二人一緒にイく。佐山の顔を舐めて「佐山のこんな素顔俺だけが知ってるんだよなぁって思って」と幸せそうに笑う才川に「お前こそ」と思う佐山。
今回のお話はここで一旦終了です。2,3巻も発売はされているのでまた機会があれば続きを書いていきたいと思います。最初、タイプの違う二人が最悪の出会いをしたわけですが、才川がなぜか佐山のことが気になって、ちょっかいをかけながらも仲良くなっていくうちに惹かれ合うところが青春って感じがしました。才川と出会っていなければ佐山はこの先もトラウマを抱えて変わらないままだっただろうから、二人の出会いがお互いをプラスに変えていっているようでよかったです。
著者:参号ミツル
レーベル/出版社:ビボピーコミックス/リブレ
発売日:2020/04/20