先生、スキだらけです。

ちょっとした下ネタで赤面してしまう美術教師・風見の様子を見た亮平は、放課後に風見の元を訪れ弱点を執拗に責めてきて──。

あらすじ

「教え子の手コキ気持ちいいですか?先生」寡黙で陰鬱な美術教師・風見は亮平にとって、思わず虐めたくなるようなタイプの男だった。ことの発端は、普段怒らない風見が珍しく授業中、生徒のたわいない猥談に声を荒げたこと。その様子に興味を持った亮平は放課後美術室を訪れると、風見の弱点を見抜き、執拗に責めて……。「しょーもない下ネタに真っ赤になったり、ちょっと触っただけでこの反応って……せんせいヘンタイじゃん。」美少年趣味をひた隠す売れっ子俳優×妖艶な若手役者の業界ラブ『だってあなたが火をつけた』同時収録。

ネタバレあり感想まとめ

【先生、スキだらけです。】
美術の教師である風見のことを「俺ってああいうタイプ虐めたくなんだよなぁ」と思う高校生の亮平。授業中、ちょっとした猥談に花を咲かせているといつも怒らない風見が声を荒げて怒ってくる。その様子に興味が湧いた亮平は、放課後部活動のない日を狙って風見の元を訪ねる。自分の振る下ネタで見事に顔を赤らめる風見の姿を見て、もっと虐めたくなってしまった亮平は風見のことを触り出し、「せんせいヘンタイじゃん」と手コキでイかせる。キスしたらどうなるか気になった亮平はそれを試みるも、押しのけられ「次何かしたら強姦罪で訴えるぞ」と逃げられてしまう。翌日、風見が美術部の部室に現れると、今まで幽霊部員だったはずの亮平がいることに気付く。亮平が昨日一人で自分の元を訪ねてきた意味を聞くと、「俺って好きな子めっちゃ虐めたいタイプなんだけど弱点だったり悔しがる姿は俺だけのものにしたいんですよね」と返ってくる。「……好きな子?」と疑問に思う風見だったがそれは自分のことであり、思わず顔を赤らめ戸惑ってしまう。今までちっとも出なかった部活動に亮平は真面目に参加することに。部活のない日も部室に顔を出しては風見にちょっかいをかけていた。自分のことをからかって遊ぶのはやめてくれという風見だったが、亮平は「本当に嫌なら二人っきりになっちゃダメでしょ」と風見を黒板に追い詰め、好きな人に触りたいと思うのは変なことなのか、自分は先生のことが好きだから会いにきていると言う。風見は自分の体が敏感で怖いこと、下ネタが苦手なのではなく頭の中がそれでいっぱいになってしまうから苦手なふりをしていること、本当はもっとすごいことをしてみたいと思ってしまっていることを亮平に見破られてしまう。「ずっと見てたらわかっちゃった、だって先生スキだらけだから」と言う亮平は部室の鍵を閉めて風見の後ろを慣らしだす。亮平は往生際の悪い風見を半ば無理やり犯し、生徒と教室でセックスしているという背徳的な状況で余計に感じてしまう風見。今度こそキスをしようとすると、前のように断らない風見を見て亮平は「今度から俺の顔見ただけで顔赤くなっちゃうかな」と優しくキスをする。生徒の間で今日の風見はなんか変、という話が持ち上がる。友達の誘いを断り続けてまで部活に打ち込んでいるため、何か知っているのかと友人に聞かれる亮平は、顔を赤らめる風見を見て「全然、これからもっと知ってくとこ」とこたえるのであった。

【だってあなたが火をつけた】
売れっ子俳優の葉山は美少年趣味を隠しながら生きていた。仕事の忙しさでなかなかその欲を発散することができず溜まっていたところ、今度の共演者に好みの美少年を見つける。バーに寄って好みの少年を探していると、不注意で自分のジッポーを落としてしまう。それを拾ってくれたのは自分好みの美少年だった。「良ければ一杯付き合ってくれないか?」と札束を握らせ誘いをかけるとそれに乗ってくれることに。ホテルに着いていざ始めるも体が硬く、入れるために後ろを準備しようと手を伸ばすと嫌がられてしまう葉山。思わず萎えてしまい、無理やりは良くないしお金もそのままでいい、「もし好きな相手がいるなら身体は大事にするべきだ」と告げてその場を去る。撮影現場で、そのことを思い出しながらタバコを吸おうとするとまたもやジッポーを落としてしまう。それを拾ったのは共演者の美少年・辻丸昭緒だった。先日買おうとしたあの美少年に似ている、と思ったがあの少年には泣きぼくろがなかったことを思い出し、別人だと思う葉山。あまりにも好みのドストライクが故に、家に帰ると「どうして君は俳優…共演者なんだ!!」と叫んでしまう。連日撮影で顔を合わせることになると、制欲が削がれていたとは言えどまた湧き出てしまう。どこかで相手を探そうとしていると、帰ろうとする辻丸を発見。縁起のことを褒めると、とても嬉しそうにする辻丸を見て、「もう遅いし良ければ送って行こうか?」と提案してしまう。助手席に乗る辻丸を口説きたい、と思いながら欲望に耐える葉山。辻丸は葉山の大ファンであり、ミリタリーものが好きなのは葉山の下積み時代の作品の影響だった。それを聞いた葉山は、お礼だと自分の使っているジッポーを辻丸にプレゼントする。不意に、煙草はどんな味がするのかと聞いてきた辻丸に迫り、キスするギリギリのところで「君が女の子だったらここでキスしてたよと」という葉山。送り狼にならず、無事辻丸を送った葉山はちゃんとジョークとして受け取ってもらえたのかドキドキしてしまっていた。ある日の撮影現場、いつも演技が完璧なはずの辻丸の調子が良くない様子。何度もリテイクを出してしまい、監督や葉山のところへ謝りにくる。家に帰ろうと葉山が席を立つと、急に辻丸が眩暈でふらついてしまう。以前辻丸を家まで送ったことが知られていた葉山は、またしても辻丸を送り届けることに。自分の家の前でもフラフラな辻丸を見て、葉山は肩を支えながら彼の部屋まで連れて行ってあげる。電気をつけるとそこには壁一面に自分のポスターが貼られていた。その事実に驚いていると、先ほどまでフラフラだった辻丸が「葉山さんはホモですか?」と葉山に迫ってくる。実はあの時買った美少年は辻丸昭緒本人だったのだ。何度もリテイクを出したのも具合が悪いのも全て演技だったことを知らされた葉山は、脅すつもりかと尋ねる。すると、「そうです」「もう一度…僕を抱いてくれませんか…っ」と予想外な脅しをされてしまう。お金がなかった辻丸は手っ取り早く稼ぐため体を売ることを選んだのだが、葉山以外の人に触られるのが怖くなってしまい、あの時誰かわからなかった葉山を拒んでしまったことを後悔していたようだ。葉山が抱いてくれるなら死んでも構わないという辻丸の発言に煽られ、二人は体を重ねる。朝起きると、突然涙を流しながら「死んでしまいたい…」と言い出す辻丸。自分が何かしたのではないかと慌てる葉山に、「葉山さんはきっとすぐにでも僕から離れて行ってしまうのに…このまま目覚めなければよかった…」と続ける。それを聞いた葉山は、「それは困るな…俺はまだ昭緒くんを手放したくない、…俺から離れるなよ」と抱きしめる。ところで、辻丸がなぜお金が必要だったのか気になる葉山は、本人に尋ねてみると、それは葉山の出演しているビデオを山のように集めているからだった。ボロボロの家を見た葉山は、「マンション…借りてあげようか」と提案する。

 両方とも短編だからか、スピード感があってとても読みやすかったです。作者さんの絵もとても綺麗で、妖艶な感じが自分好みでした。私は先生と生徒のBLが好きなので、最初の方の作品をもっと掘り下げてみてみたいな〜なんて思いました。恋愛描写のいざこざなしでサクッと読みたいという方におすすめです。

著者:都
レーベル/出版社:G-Lish comics/Jパブリッシング
発売日:2019/12/18

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