スイート・ビター・スイート

チョコレートを食べるのが趣味なサラリーマン・真柴。気になっていたお店のショコラティエ・峯村に気に入られてしまい、なぜか一緒に出かけることに。何度も出かけるうちに真柴は峯村に友人ではない気持ちを抱いてしまい──。

あらすじ

平凡なサラリーマン・真柴の唯一の楽しみは甘いチョコレートを食べること。ある日、激務に追われる中駆け込んだチョコレート専門店で振る舞われた甘さに思わず涙してしまうも、なぜだかショコラティエの峯村に気に入られてしまい度々二人きりで出かけるようになる。色とりどりのスイーツを前に目を輝かせる姿を見るたび、真柴は胸の高鳴りを感じるようになり―…。天然美形パティシエ×平凡社畜サラリーマンの心うらはら、苦くて甘い大人のジレ恋ストーリー

ネタバレあり感想まとめ

チョコレートが大好きな普通の会社員・真柴は終業後閉店ギリギリで前から気になっていたチョコレート専門店に向かう。たくさんのトラブルに見舞われながら辿り着いたのだが、惜しくも本日分は既に完売し閉店するところだった。仕事の励みにしようとしていた真柴は分かりやすく落胆しながら店内を後にしようとする。その様子を見た店員・峯村は、明日から出す試食を特別に差し出してくれる。そのおいしさに思わず涙が出てしまい、この店に来るのをどれだけ楽しみにしていたか語る真柴。お土産もいただいて癒され、明日も仕事を頑張ろうと思うのだった。1週間頑張ったのち、真柴は終業後にまたあの店へと向かう。すると、いきなり峯村から時間がある時に会ってほしいと言われる。

素敵な方だと思ったから友達になってほしい、と言うことで休日にスイーツの偵察に行くことに。集合し、一緒にたくさんの店を回る真柴と峯村。楽しくて興奮してしまったと言う真柴に、チョコレートにはそういう効果もあるけどそんなに効いたら1日で何回真柴に恋をしただろうと言う峯村。家に帰ってもその言葉を思い出してしまう真柴はその日峯村で抜いてしまい、友人として接してくれている峯村に罪悪感を感じてしまう。

真柴はいまだに罪悪感で悩まされていた。他に峯村にときめく人もいるだろうし、友達はアドバンテージなのか逆なのかモヤモヤ考え続けてしまっている。峯村に会いたいなと思っていると、休日出かけた先で友人と一緒にいる峰村を見かけてしまう。友人も王子のようにイケメンで絵になると思っていると、友人とは思えない距離感と自分が峯村とどうなりたいのかがわからずモヤモヤが加速してしまう。自分が嫉妬してしまっていること、もし恋人だとしたら何か言う権利はなくて、劣情を抱いている自分は「友達」にもなれないと思う真柴。また峯村に抱かれる妄想をしてイってしまい、お店に行くのを次で最後にしてお別れしようと決意する。店に行くとお休みになっていて、内心ほっとしていると後ろから峯村に声をかけられる。この前出かけた時から店に来ていなかった真柴に何かしたのではと心配だった、いつでもいいと思っているが真柴が来てくれるのが楽しみだと気付いたと言われ、改めて峯村のことをそういうこともしたい好きだと思わされこの思いを隠していくことを決める。

また峯村と遊びに行くことになり、いろいろ気合を入れて臨む真柴。いざ集合場所に行くと、なんと王子のような峯村の友人・早坂も一緒だった。2人で出かけるはずだったのに早坂も加わりそうでモヤモヤするが、「友達」なら断らないだろうなと一緒でもいいと答える。早坂と峯村は小学生の時からの仲らしく、会話を聞いていてもその良さがうかがえるため勝手に劣等感を感じてしまう。人を好きになるしんどさを感じていると早坂から急に話しかけられ、自分が峯村のことを好きだということに気付かれる。さらに、バラしてもどうにもならないだろうからバラさないよと煽られてしまう。解散の時間になり2人と別れ、落ち込んだ気持ちを癒すためにチョコを食べたいと歩いていると、早坂を置いてきた峯村に肩を掴まれ、早坂が真柴と仲が良さそうで嫌だったと打ち明けてくれた。その言葉を聞いて、悪い人じゃないけど今度は峯村と2人でお話ししたい、ちょっとさみしかったと伝える真柴。

ウキウキの真柴が退勤すると、真柴を見かけたという早坂に待ち伏せをされていた。峯村の話をしよう、と言われてしまいスイーツ店に入る。峯村のことは好きだけど、友達だと思ってくれる気持ちを裏切りたくない、だからこれからも友達でいようと思う、という真柴。すると、そんな都合のいい話はない、もし自分が峯村に恋愛対象だと思われていも友達のままでいたいなんて思わないだろう、そんな、真柴のハードルになりたいと言われてしまう。さらに、友達の土俵で戦うなら自分には勝てない、友達の一番を狙っていないなら何を目指すのかと煽られ、心の中で峯村の恋人になりたいと気持ちをはっきりさせる。すると、早坂はハードルになるつもりはなく、早坂が今まで峯村と相手の間に割り込んでもしょうがないのスタンスだったのに、この間はタクシーに押し込まれて帰されてしまった、恋愛対象と思われてたらどうするか答えが決まってからでよかったね、と意味深な言葉を言う。すると、そこに峯村が現れ真柴をすごい勢いで連れていってしまう。

お互いに言いたいことがあるが、道端で話すのもあれなので店に入り話をすることに。峯村が来たのは、早坂に真柴と付き合うことになったと嘘をつかれたからだった。峯村の「すぐ俺の友達にちょっかいかけるんだから…」の言葉を聞いて、真柴は「俺はあなたのことを友達だとは思っていません」と切り出し、このままでは誤解を生んでしまうため「峯村さんが好きです」と続ける。恋愛経験がない自分にとって自分の気持ちが分からず、気付いても隠そうとしていたけど峯村の恋人になりたいと自分の想いを告白する。気持ちを伝える身勝手なことをしてごめんなさいと涙を流して謝る真柴の姿を見た峯村は、あの日チョコを食べた真柴が泣いているのを見てドキドキしたから呼び止めたこと、今までいろんな人からいろんな気持ちをもらってきたけど真柴だけは違ったことを伝える。自分の好きも友人の好きではない、「俺と恋人になってもらえませんか?」と伝えてくれる峯村。友達になるときも恋人になるときもこう言ってくれる峯村を改めて王子様みたいだな、と思う。場所を移動し峯村に抱かれる真柴、互いに好きだと言い幸せを噛み締めながらハグをする。結局早坂はただの愉快犯だった。峯村と付き合ってからは態度が極端に甘くなり焦る真柴だが、まあいいかと思うのだった。

チョコ好きな真柴がまず可愛いのと、峯村の行動とビジュアルが王子様すぎて少女漫画を読んでいるようでした笑 早坂が途中で半分割り込んでくれたおかげで2人の関係性が平行線では終わらなかったので早坂に感謝ですね、悪い人ではないので。友達として過ごしてきて、その関係性を変えるのは覚悟が必要なのに覚悟を決めて気持ちを伝えられるのも偉いなと思いました。

著者:平眞ミツナガ
レーベル/出版社:G-Lish comics/Jリパブリッシング
発売日:2021/11/18

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