嘘つきΩは逆らえない

βだと偽り過ごしていたΩが突然エリートαの番に!?

あらすじ

<βだと偽り過ごしていたΩが突然エリートαの番に!?>事件はある夜、職場飲みの帰りに起こる。酒に弱い同僚αの林を介抱中、微かに漏れ出た橋田のΩフェロモンに林があてられラット状態に陥ってしまう。抵抗虚しく、身体を犯されただけではなく首まで噛まれ番となったことに焦る橋田。けれど、林はその夜の出来事を覚えていない様子…。これ幸いと橋田は変わらずβと偽り、番であることを隠し通すと決意するが、身体は林(α)を求めずにはいられなくて─!

ネタバレあり感想まとめ

 酒に酔ってしまった林とその介抱をしていた橋田は事故で合意のない番になってしまう。しかし、林にその日の記憶がないのをいいことに、その事実を隠し通すことにする。なるべく関わりを避けようと思った矢先、生徒から逃げる林に捕まってしまう。資料整理を手伝う林を見ていると、無意識にフェロモンが出てしまい、それを林に気付かれなんとか誤魔化すと「今日の橋田先生の匂い、なんだかとっても魅力的なんです。」と自分のフェロモンを感じ取ったような発言をされる。急いで部屋から出て真っ先にトイレに逃げ込む橋田。番の関係を甘く見ていたことと、そのαの色気に当てられ興奮してしまった自分にも後悔するのだった。

 何度も抜いているのに疼きがおさまらず、結局林をオカズにアナニーをしてしまう。あれから気まずくて接触を避けていたが、昼休みの時間に一緒にご飯を食べることになってしまう。嫌われたと思っていたと落ち込む林に、真の魅力がある人に魅力があると言われて恥ずかしくなった、と答える。自分は橋田から見て魅力的なのかと聞かれたため、そりゃもちろんと言うと途端に顔を赤らめ嬉しそうな林。その反応を見て自分の鼓動まで速くなってしまい、またしても逃げることに。病院に行った橋田は、強めの抑制剤で収めようとしたが生産中止を知らされ、噛み跡を見られて相手がいると誤魔化したことで保険も使えなくなってしまう。薬は高額のため飲まずに耐えることを選ぶが、耐えられるわけもなく指では足りずペンを挿入して達してしまう。そこに体調不良を心配した林が来てしまいαが欲しいという欲求に耐えられずドアを開け抱いてくれとお願いする橋田。

 橋田が目覚めると、横には裸の林がいた。現実での出来事に焦りはするものの、番同士のセックスの気持ちよさにドキドキが止まらない。林は目覚めると一番に怒るのではなく自分の体を心配してくれ、改めて林の人気の理由を実感させられる。2人でご飯を食べながら話していると、飲み会の帰りにも同じようなことがあったと墓穴を掘ってしまう番になったことに気付いていないため、そのまま番にはなっていないと嘘をついてると、「よかった…」と言われてしまい、その安心しきった顔を見て自分が相手だし…と更に卑屈になってしまう。自分が独り身で相手もいないことを言うと、ヒートの時には頼ってくれとセフレの関係を結んでしまう。チョーカーも外さず、プライベートでの接触も避けるつもりでいたが、早速ご飯のお誘い連絡がきてしまう。

 断りを入れ続けていたが、毎週連絡がくるため断れずついに出かけることに。まるでデートをしているかのような雰囲気にドキドキしていると、僕はデートのつもりですけど?と林に言われて驚いてしまう。そろそろ本題に入ろうと、先日の謝礼金として3万円を渡す橋田。林はそのつもりは全くなく、単に仲良くなりたかったから誘っただけだったのだ。途中の書店でαとΩの恋愛を題材にしたヒット中の本を見つける。この本のように大恋愛をしたいと思うか?と問う林に、人生で一度くらいと夢を見ると言うと、「夢なんて言わないでください」「今目の前に運命の相手が居るかもですよ」と言われる。「今日僕は本当のことしか言ってないですよ」と続ける林の言葉にドキドキが止まらない橋田。すると、林が持っていた荷物の紐が切れ、その中身がセックスで使う道具とわかってしまう。万が一と持ってきたようで、無理をさせないよう抑制剤まで飲んできてくれたのだ。林が自分のことを本気で大事にしてくれようとしていたことに鼓動が早まりフェロモンが出てしまう。すぐ帰ろうとしていた橋田の手を掴み、急いでどこかに入ろうと結局ホテルに来てしまう。ヒートじゃなかったらただのセックスになってしまうと帰ろうとする橋田だったが、林が勃っていることに気付く。フェロモンではなく自分に欲情しているのかなと思っていると、前回のように乱暴にはしないから身を預けてくれと言われてしまい結局身体を重ねることに。

 学校での林の人気はすごく、同僚から林にいつも誘いを断られている、と仲良くなる秘訣を聞かれてしまう。自分のせいで他の誘いを断らせてしまっていると思った橋田は、映画の誘いを断ろうとするも、橋田と出かけたいから誘っているだけと言ってくれる。最近発情期でもないのにフェロモンが出ることを行きつけのバーで相談すると、林に恋しているからだと言われてしまう。隠していたことを話して正式な番になることを提案されるが、戸惑ってしまう橋田。すると、いい男なら他のΩと番になっちゃうかもよと言われてしまい、心が痛む。自分がΩだとわかった時、オメガの特徴を併せ持たなかった自分がそう言う対象として見てもらえないことを同級生の陰口で知ってしまった橋田。自分が1人でも生きていけるよう努力してきたから誰かと一緒なんて考えていなかったのだ。自分の気持ちを確かめようと林を見つけると鼓動が鳴り止まず、自分が林を好きになってしまったことを知る。すると、同僚の女性が林に話しかけ、なにやら親しそうな雰囲気。休日に2人で出掛けてチョーカーを買ったとの噂もあった様子。美男美女でお似合いとの言葉に心が打ち砕かれてしまう橋田。

 それから橋田は林を避け、週末の誘いも断るようにしていた。しかし、文化祭の打ち上げの飲み会で林に再会してしまう。酔い潰れた同僚をタクシーまで運ぼうとしていると、林がやってきて手伝ってくれる。体に合う薬が見つかったと嘘をつき今までありがとうございましたと言う橋田。そんな薬があるわけなく、発情期当日、想うことだけでも許してくれと身体を1人慰める橋田。インターホンで目を覚まし、辛いと連絡したバーのママが来てくれたのかもとドアを開けると林がいた。林のやさしさに辛くなり、「帰ってください」と頭を下げた途端噛み跡を見られてしまい「番が出来たんですね、おめでとうございます」「番の方と幸せになってくださいね…」と林は去ってしまいそうになる。自分の番は林だと涙ながらに言い、飲み会の帰りに首を噛ませてしまったこと、受け入れてもらえないと思って隠していたこと、同僚の女性と付き合い始めたなら尚更隠そうと思った、と打ち明ける橋田。同僚の女性はたまたま店で会っただけで、チョーカーは橋田にあげるものを買ったのだった。以前教育実習生と生徒として橋田に会ったときに一目惚れをして教員の道に進んだ林、Ωだと知らずに好きだったのだから第二性の影響も関係ないと言われる。「僕と正式に番になってください」という林に「はい」と笑って答える橋田.想いの通じあった二人は愛を伝え合いながら部屋で身体を重ねる。同僚に噛み跡を見られた橋田は、この際と隠していたΩ性を職場にカミングアウトする。林からもらったチョーカーをつけていても変に思われない、と言う橋田。今度は二人ペアのものを買おうと約束をする。

過去にあった出来事から自己評価が著しく低く、林がこんなに好意を剥き出しにして伝えているのにそれを信じることができない橋田にもどかしい気持ちを感じました。事故で番になってしまっていると言う部分もあり気持ちは十分わかるので、二人の想いがようやく通じた時はよかったな、と純粋に思いました。オメガバースは格差がある以上Ωが下に見られ迫害される表現があることも多いですが、この作品はそんなこともなくライトに楽しめると思います。

著者:やいび
レーベル/出版社:G-Lish comics / Jパブリッシング
発売日:2021/12/17

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