残念だったな、運命だ!

女遊び大好きなホストの泉は、突然数人の黒服に拉致された。とある御曹司の婚約者を誑かし破談にしたと責められるが――

あらすじ

女遊び大好きなホストの泉は、突然数人の黒服に拉致された。とある御曹司の婚約者を誑かし破談にしたと責められるが――現れたのは高校のときの同級生・御子柴で!?この件を水に流す代わりに、泉を自分のものにするという。まさか……と思っていたら豪邸に連れて行かれたうえに告白され、押し倒されてしまい――!?囚われの(?)ハイテンションラブコメディ!

ネタバレあり感想まとめ

女遊び好きのホストの泉は、女遊びが原因でとある御曹司との婚約を破断にしてしまったらしく、黒服に拉致されていた。そこに現れたのは高校時代の同級生・御子柴要だった。御子柴は自分の父親が経営している会社の親会社の息子。つまり御曹司なのだ。なんでもしますから許してくださいと言うと、覚悟しておけよと釘を刺される。御子柴の家に連れて行かれた泉は、帰れるものだと思いきや「お前は今日からオレの所有物になってもらう」と急に言われる。これから何をされるのかと怯えていると、「俺はお前が好きだ」と御子柴から衝撃の告白。泉が御子柴の初恋の相手であり、このような状況になったのだから泉を手放す理由がないとのこと。「では…」と泉の服を破り早速所有権の実行をしようとする。散々女の子と遊んできたとはいえど自分が入れられる側になるのは初めてなので、抵抗しようとしても無理やり押し切られそうになる。逃げようとすると御子柴の護衛から手裏剣が飛んできたため抵抗せずに従うことに。あまりの痛さに死にそうになる泉。「…何が好きだよ、サイテーだ」と反抗すると、「…お前は立場がわかってない!!」と抱き潰されそうになる。目を覚ますと部屋を与えられなんでも好きに使っていいと言われ、本当にここで一生過ごすのかと血の気が引く。

 ふわふわの女の子に囲まれる夢を見ながら朝に目を覚ますと、目の前には御子柴の胸板が。最悪の目覚めだ、という泉を御子柴は朝から抱く。二人で食卓を囲みながら、なんとかして外に出られないかと交渉する泉。情報漏洩する可能性があるため外には出れず、家族も海外旅行に行っているらしい。御子柴は用事があるため、一日護衛と屋敷に放置されることになる。帰ってきた御子柴は泉を手に入れるための試練だと思えばなんてことないと自ら嫌がらせにと泉が散らかした部屋を片付け始める。しかし、自分の置かれている状況を理解できていない泉に対してお仕置きをするようで、今回は前立腺を開発することに。本を見ながら少しずつこなしていくが全く気持ち良くなれない。体勢を変え、前をいじられたことでイってしまう。御子柴に好き勝手いじられたことにプンプンしながら廊下を歩いていると屋敷の使用人の自分のことに関しての会話が聞こえてくる。「高校のご友人だなんて信じられない」との言葉を聞いてしまう泉。離れにある部屋に引き寄せられ、入ってみるとそこは亡くなった御子柴の父親の部屋のようだった。この部屋を荒らしたら怒るだろうな、と思っていると使用人からなんでこの部屋にいるのかと怒られてしまう。部屋にあった家族写真の入った写真立てを壊しそうになり、それを守ろうとした泉は足を挫いてしまった。部屋で御子柴に手当てをされながら、何を壊してもいいが泉が怪我をすることの方が肝が冷える、と言う御子柴。自分は御子柴に嫌われるためならと部屋をぐちゃぐちゃにしようと思っていたどうしようもないクズだと言うと、「自分の行動でお前自身が傷ついているなら辞めた方がいい、無駄だからな」「俺の気持ちは変わらん」と言われる。

 御子柴との出会いは高校時代にまで遡る。階段でゲームをしていた泉に御子柴がぶつかってしまい、泉のゲームの邪魔をしてしまったようだ。金で解決するつもりでいたが、泉が出した条件は金ではなく同じゲームをプレイし、泉が指示したらプレイに必要なハートを送るだけだった。ハートの送り方を教え、「御子柴から♡届いた」と笑う泉を見て「好きだ」と思うようになったのだ。そんな夢を見て目が覚めた御子柴。見たい映画の公開日のため、外に出たいと懇願する泉だが、御曹司の権利で家でも見れると断られてしまう。「お前とデートでも?」と聞くとその可愛さに負けた御子柴が外に出ることを許可してくれる。護衛が車で送ろうとするも、二人で電車で時間かけて行った方がデートっぽいと理由をつけ二人きりだけで外出することに成功する泉。映画もホテルも行った後、御子柴が電話をすると言うので待っていると何か揉めているような声が聞こえる。急いでその場所に行くと嫌がっている女性とそれを止めようとしている何人かの男の姿があった。慌てて割って入ると、「泉」と何やら自分のことを知っている様子。前職で会ったかな、と思っていると「要は一緒じゃないのか」と聞かれる。その名前が出たことに驚いていると、御子柴が走ってきて「満…さん」とその人物の名を口にする。満は御子柴に会うなり皮肉めいた口調で「遊び歩いて…いい御身分だな」と言い去ってしまう。泉が誰かと尋ねると、満は今の社長の息子で御子柴の従兄にあたる人らしい。自分が御子柴の好意を利用して外に出してもらったのに勝手に首突っ込んでごめんと謝る泉。

朝いつも通り目が覚めると、護衛が慌てて部屋に入ってくる。どうも藤次郎という人が来ているらしい。こっそり様子を伺っているとなにやら荘厳な雰囲気の人が入ってくる。泉は直感でこの人が例の叔父さんなんだろうと分かるが、その会話の中で泉は日本ではなく国外で匿うはずだったことを知る。色々片付いていないのに本家の長男だという自覚がなさすぎると御子柴を強くしかる藤次郎。実は、泉はただ軟禁されているだけではなく、婚約を破談にしてしまったことの責任から守るために御子柴家に保護されていたのだ。自分が御子柴の重荷になっていると思った泉は家族のいる海外に行こうとも思うが、場所を移すことを提案されやってきたのは海外でもなんでもなく御子柴家の所有する温泉旅館だった。毎日御子柴が通うのは難しい、ということで喜ぶ泉だが、しっかり監視がいるためその野望は打ち砕かれる。旅館で豪華な料理を食べながら、どうして自分のことが好きなのかと泉は改めて尋ねてみる。すると、「…かわいかったから?」との返答が。御子柴はあの頃対等に接してくれる人がおらず、近寄ってくる人間は家目当てだと思っていた。しかし、そんなことなく真っ直ぐに接してくれた泉のことを素直に可愛らしいと感じたのだ。泉は高校時代、御子柴に「もう関わるな」と突き放されたことがあ理、そのことも聞いてみると、高校時代満に泉のことが好きだから縁談を解消したいと相談してしまったことがあるらしい。すると、満は自分の手に入らないものを全て持っているのに身勝手な行動をしようとする御子柴を憎んでいることを知ってしまう。自分の立場を思い知り、泉への思いを諦めることにしたからだったのだ。嫌われてしまえばと泉の気持ちを考えずに突き放してしまったことを謝る。家のこととか頑張るんだろ?と泉に聞かれ、ああもちろんと返事をすると「…そういうの真っ向から立ち向かうお前のことは男としても尊敬するよ」と純粋に褒められる。御子柴は、自分だけが大変なのではなくて、泉も大変だったんだろうと言う。「お前みたいに人に言えた人生じゃねーよ」と昔のことを思い出す泉。

御子柴が旅館を離れるとき、どれくらいで外に出られるのか今一度聞くと、今回の事件に御子柴が絡んでいないことを証明したりといろいろまだ時間がかかるようだった。御子柴の話を護衛の牛島から聞くが、御子柴が好きなのは高校時代の擦れてない自分であり、初恋の相手と再会した運命に囚われて今の自分が見えていないのではと思う。牛島は、わがままを言うことのなかった御子柴が誰かに執着するのは驚くけどそう言う相手ができるのは悪いことじゃないと言う。しかし、今の自分にそこまでされる価値があるのかと思う泉。牛島のいなくなった部屋で、最近一人でシていないから発散するために可愛い女の子のことを思い出そうとしているとどうしても御子柴の顔がよぎる。すると、急に牛島が「坊っちゃまからお電話が…」と部屋に入ってきてしまう。すると、「最近自慰はしているのか」と予想外の質問が。牛島にAVを借りてこいと言ったことを御子柴にチクられていたのだ。AVを使われるのは気に食わないから電話口でさせようと思っていたと言われる。「物は試しだ」と御子柴にのせられ指示に従って自分で体を触る泉。御子柴の声を電話越しで聞いて興奮してしまう泉はそのまま果ててしまった。「なんで俺がこんなな気持ちになんなきゃなんねえの」と言うと、割と近い距離で「泉?」と呼びかけられる声が聞こえ、後ろを振り返るとそこにはサプライズで御子柴がいた。「いい加減俺も会いたかった」と言う御子柴にもうあの頃の自分ではないし自分に構っていたら人生を棒に振るぞと訴える。すると、今の泉のこともちゃんと冷静に見れているし、家のことは後々地位も権力も手に入れるから問題ないとすごい自信で言う御子柴。いい人間だから泉を好きになったのではなく、捻くれて扱いにくい泉も好きだ、初恋の相手にこうして会えたのだからロマンチックとありがたがってくれてもいいと続ける。「俺はありがたくないんですけど〜〜〜」と言う泉を抱きしめ、「これからたくさんありがたく思うようになる」と言い切る。泉は、自分から離れた方が御子柴のためになるのに一人でシていると御子柴の顔が出てくると口を滑らせてしまう。自分も御子柴のこと好きみたいじゃんと失言に気付き、恥ずかしくなった泉は二階から飛び降りて逃げ出してしまう。

恥ずかしいことを言ってしまった泉は戻ろうにも戻れず旅館をフラフラしていると御子柴を探している満に遭遇してしまう。一方御子柴は叔父さんに至急の電話で呼び出されていた海外にいると嘘をついた証拠として叔父に会ってもらうから、多分もう御子柴のところには戻れないと言われてしまう。社長の前に泉を連れていって、これからどうするかと跡継ぎのことを切り出す満。その話を聞いて、自分を使って御子柴を追い出したいだけ、御子柴も自分なりに会社のこと頑張ってるのに誰も味方になってくれないのかと怒り出す泉。そこに現れたのは御子柴本人だった。どうやら大事な話があるからと叔父に直々に呼ばれた様子。叔父の大事な話というのは満に会社をやめてもらうことだった。驚く満と御子柴。御子柴は叔父と満が組んでいて何か条件を飲まされたり跡継ぎを満にするのかと思っていた。しかし、実際は叔父が期待していたのも会社を継がせたいのも御子柴だけ、満はずっと実の父親に認められずにいたのだ。叔父は満が娘と結託してわざと婚約を破談にして御子柴を引き摺り下ろそうとしている計画を知っていた。無実になり部屋に帰った泉と御子柴だが、散々御子柴が運命だと言っていたのは全て仕組まれたことであり運命でもなんでもなかった。「…お前のこと信じたのに運命なんかじゃなかったじゃん!」と怒る泉と、こんなこと言える立場じゃないけどそばにいてくれ手放したくないと弱気に頭を下げる御子柴。そんな様子を見て、「自信満々なお前はどうしたんだよ」「お前の言葉で安心させてほしいんだよ」と御子柴を抱き締める。何度も好きだという御子柴を押し倒し「いい眺め、お前のこと尻に敷くのもいいかもな」と笑う泉。満の一件があったため弱みを握った御子柴は、叔父から泉のことを好きにする権利までもぎ取っていた。泉からまだ好きと言われておらず聴きたいと要求され、諦めて「すき」と告げる泉の音声を御子柴はちゃっかり録音している。御子柴はそのまま泉の住むマンションに荷物を運んでしまったため同棲生活までスタート。部屋を片付けていると女の下着を発見するわ女が家に押しかけてくるわ大量の連絡がくるわで泉が女たらしだった痕跡が至る所に。その様子を見てもう少しうちで暮らすか?と怒り気味にいう御子柴だった。

長くなってしまいましたが1巻はここで完結です!執着する系だと拗らせてメンヘラになったりするのですがこの御子柴は実力行使しようとするもののそういう束縛などの重さはなくコメディチックに描かれているのでさらっと読みやすくてよかったです。御子柴にツッコミを入れながらも完全に拒否できず流されてしまう泉も可愛くてよかったです。

著者:あずみつな
出版社/レーベルB.Pilz COMICS / ブライト出版
発売日/2018/06/22

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