兄のことがわかりません!

三兄弟の長男の結婚によって、自分は男が好きなのかもしれないことに気付いた三男の嵐は次男の青葉に相談をする。しかしそれからは今まで意地悪だった青葉の態度がだんだん変わってきて──。

あらすじ

拝啓  いつかの自分へ
今日も「いじわるな兄」をやっていることと思う。そのまま絶対に、弟に手を出さないでくれ。
兄弟仲が壊れるから?
ちがう。
嵐のピュアさをお前は見誤ってる。
手を出したが最後、かわいさに流される。
幸せ…?バカか。
この後悔の海で苦悩してから言ってみろ。
俺はもう兄の顔なんて、二度とできる気がしない!

ネタバレあり感想まとめ

両親が離婚してから父方の連れ子であった兄二人と男三人で暮らしていた嵐。しかし、大好きな一番上の兄の結婚をきっかけに「自分は男(長男)が好きなのではないか」と思うように。長男がいなくなった後は二番目の兄と暮らしていくことになるのだが、二番目の兄の青葉からはよく思われていないのであった。自分は本当に男が好きなのか確かめるべく、ゲイビを見ているところを青葉に見られてしまう。「興味があるならしてやろうか」と、後ろをいじられてイかされてしまう。兄さんには黙っていてやる代わりに何をしてくれるのかと脅される嵐。

 前みたいなことをやられるのではと思っていたが、ケーキのお使いだったり、買ってきたケーキも自分が前に好きだと言っていたものを分けてくれたりと、青葉の優しさに触れる嵐。しかし、結局自分がゲイであるのかの問題は解決しないままのため、青葉ありきでエロ本を見ながら抜いてみることに。反応せず困っていたが、昨日青葉に触られたことを思い出して、乳首や後ろをいじってイってしまった。青葉に声をかけると、何もしていないはずの青葉も反応していた。「青葉俺のこと好きなの?」とからかってみると、いつものいじわるな兄からは想像できない反応が返ってくる。

 「俺たち両想いじゃん!?」「俺青葉とならなんか大丈夫な気がする」と嵐の勢いに押され二人は付き合う(?)ことに。今まで仲が良くなかったため交換日記から始めるも、嵐の友人が付き合ったその日にキスをしたことを知ってしまい青葉に恋人らしいことをしよう、と言い出す嵐。キスだけでふわふわになってしまうが、続きをしてくれないのかと煽る嵐に負け、二人は体を重ねることに。しかし、最中に「兄ちゃん」と言った嵐に対して罪悪感を感じてしまった青葉は、「勘違いだった」「付き合うのはやめよう」と突き放してしまう。

 それからというもの青葉はよく夜に出かけてしまい、なかなか話せない日が続いてしまう。長男に理由を聞くと、卒論が大詰めなのと就職先が県外になる可能性から一人暮らしの準備を嵐に言わずに進めていたのだ。このまま離れ離れになってしまったら、上の兄二人と血の繋がっていない嵐は他人になってしまう。長男が結婚していくように青葉も他の人と家族になってしまうのではと考えた嵐は、悲しくて路上で泣き出してしまう。青葉に自分の気持ちを伝えなきゃ、と決めたところにちょうど青葉が通りかかる。なんで泣いているのか、と全くわかっていない青葉に怒った嵐は「絶対なかったことになんかしてやらない、青葉が俺から離れて俺のことなんか忘れても、一生引きずってやるからな!」とキスをする。嵐の必死の告白に心を揺さぶられた青葉は、嵐のことがずっと前から好きで、嵐のためになかったことにして離れるつもりであったが、本当は傍にいたいことを明かす。

 ようやく本当に両想いを実感できた青葉は、長年の想いから嵐に「好き」「かわいい」を連呼するように。せっかく恋人になったのだからと思った嵐であったが、肝心の青葉は全然手を出してこない。最初が無理矢理に近かったため、青葉はこれから嵐のことを大切にしたいと思っていたのであった。兄弟三人で食事をしていると長男は二人がようやく仲直りしたと安心していた。青葉と嵐が同じ布団に入って昔話をしていると青葉がいきなりキスをしてくる。体を重ね、お互いに好きだと伝え合う二人。長男の結婚式で寂しさから嵐が泣いていると「お前には俺がついてるからそれでいいだろ」と青葉。長男からブーケを受け取った青葉は、結婚はずっと一緒にいる約束であり、それを嵐ともしたい。返事は何年かかっても待つ。とプロポーズをするのであった。

長年想い続けて隠していくはずだった気持ちを、嵐が簡単に乗り越えてしまったため、嵐の勘違いじゃないかと思ってしまい、嵐まで引きずるわけにいかないという兄としての面から一度は拒絶してしまう青葉でしたが、本当に嵐が自分のことを好きなのだと知り、両思いを実感した後はその想いを隠す必要がなくなったために甘々になる様子が見ていて本当に可愛かったです。嵐も友達から聞いたことなどを全て真に受けてしまうそのピュアさが可愛く、青葉もこの嵐の憎めない可愛さがずっと好きだったのかな、と思いました。男同士、血は繋がっていないものの兄弟であるなど、これから二人で生きていく中で困難に当たることも多いと思いますが、彼らがずっと一緒に幸せでいられるよう祈ります。

著者:藤原旭
レーベル/出版社:on BLUE COMICS/祥伝社
発売日:2020/05/25

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